2016年7月30日土曜日

歯学生の勉強!  嚥下、Plummer-vinson症候群、ステファンカーブ、苺状舌


東京デンタルスクール 塾長 岡田です。


歯学部1年生~6年生の進級、CBT、歯科医師国家試験対策
人気 無料メールマガジン 32弾が届きました。


購読は無料です。


今回は32弾をブログでも紹介です!


岩脇先生よろしくお願いいたします!
(東京デンタルスクール教務主任、東京歯科大学卒・歯科医師
血脇賞(優秀賞) 受賞)

こんにちは!
歯学部1年~6年、国試浪人生対象のマンツーマン個別指導スクール
東京デンタルスクール 教務主任の岩脇 清一です。 


定期試験・CBT・歯科医師国家試験対策無料
メールマガジン第32回目!

あー夏休み、という夏休み気分もいいですが、
勉強も忘れずに。「苦あれば楽あり」です。
さあ、さっそく始めましょう!



1.嚥下について正しいのはどれか。すべて選べ。(生理)
a 嚥下反射時は呼吸が停止する。
b 脳幹に嚥下反射中枢が存在する。
c 嚥下反射時には喉頭蓋が挙上する。
d 嚥下反射時には舌と口蓋が接触している。 
e 迷走神経刺激により嚥下反射が誘発される。



解答:a,b,d,e


解説:生理学から、嚥下に関する出題です。
嚥下に関しては、国家試験から、定期試験、進級試験、卒業試験といろいろな
所で頻出です。低学年のうちから、確実に理解しましょう。

接触・嚥下のステージは以下の5つに分けられます。


先行期:食べられるかどうかの判断

準備期
:咀嚼による食塊形成

口腔期:食塊を咽頭に送り込む

咽頭期:ある程度食塊が咽頭に貯留した時点で嚥下反射が起こる。
・軟口蓋挙上(口蓋帆挙筋が主となる)
・舌の挙上による口腔─咽頭間の閉鎖
・喉頭蓋の下降に伴う気管の閉鎖(これにより嚥下時の呼吸停止)
・咽頭後壁の前進

食道期
:食道の蠕動運動により食塊を胃内へ輸送
口腔期と咽頭期は境界があいまいなため、ひとまとまりで扱うこともあります。

「嚥下反射中枢は延髄ではないのか?」
と思った人もいるかもしれません。

中脳+橋+延髄をすべて含めて「脳幹」と呼びます。
実際に国家試験にも出題されているので、こちらで出題されても対応
できる必要性があります。
また、舌根や咽頭を支配する舌咽神経・迷走神経への刺激で嚥下反射が起こります。

摂食・嚥下については解剖・口腔外科・衛生でも出題できるため、
関与する筋の解剖や機能障害含め、低学年の段階から確
実な知識を身につけましょう!

次いきましょう!!

2. Plummer-Vinson症候群について正しいのはどれか。1つ選べ。(口腔外科)


a 前癌病変である。
b 出血傾向を伴う。
c 総鉄結合能は低下する。
d 異食症がみられることがある。
e ビタミンB12の欠乏で生じる。


解答:d

解説:口腔外科からPlummer-Vinson症候群についての出題です。
血液疾患では、「貧血」「白血病」「出血性素因」が定期
試験、進級・卒業試験、国家試験で頻繁に狙われます。

このうち、「白血病」「出血性素因」に
ついては以前に扱っていますので振り返ってみてください。

~Plummer-Vinson症候群~

・鉄欠乏性貧血がベースとなる→
スプーン状爪、平滑舌、異食症など、鉄欠乏性貧血でみられる症状が出現する

・食道粘膜が萎縮するため、嚥下障害が生じる
・前癌「状態」である(前癌「病変」:白板症・紅板症)
・赤血球数、血清鉄、フェリチン、MCV、MCHCは低下、
鉄結合能は鉄が足りないので上昇する
・粘膜が萎縮するので、舌炎、口内炎、口角の炎症・びらんが生じる

・出血傾向は伴わない(出血傾向を伴う貧血は再生不良性貧血である)
ビタミンB12の欠乏で生じるのは、悪性貧血(大球性正色素性貧血)となります。

口腔外科を学習した皆さんへ
試験頻出です。しっかりと押さえておきましょう!!

次いきましょう!

3.ステファンカーブにおいて、臨界pHより低いのはどれか。すべて選べ。(衛生)
a 8.0
b 7.0
c 6.0
d 5.0
e 4.0


解答:d,e

解説:衛生よりステファンカーブについての出題です。
何度か国家試験にも出題されており、pHが絡むところでもあるの
で、しっかりと理解しましょう。(pHについては、
理解していないと他の教科で困ることになります。)

~ステファンカーブとは~

歯垢のpH を測定したもの
・プラーク中に糖が存在すると歯垢のpHは急激に低下し、
臨界pH 以下となる→約20分で臨界pH まで戻り、40分程度で元のpHまで戻る

臨界pH:成熟永久歯のエナメル質が溶解するpH。約5.5。
今回は、これより値が低いものを選べばいいということです。

・歯垢のpHは、口腔内唾液の緩衝作用、歯垢そのものの緩衝作用により、pHがもとに戻る
・ソルビトール、アスパルテーム、キシリトールなどではpHがほとんど低下しない
ここでおさらいです。pH は「値が低い」ほど「酸性」。
pHを決める水素イオン濃度は「値が高い」ほど「酸性」
となります。(つまり、逆の動きをすると考えてください。)
 
4問目!これがラストです。

4.苺状舌を呈する疾患の原因菌はどれか。1つ選べ。(微生物)


a  Actinomyces israelii
b  Chlamydophila psittaci
c  Staphylococcus aureus
d  Streptococcus pyogenes
e  Mycobacterium tuberculosis


解答:d

解説:微生物より、疾患とその原因菌についての出題です。
この範囲は微生物の試験で非常に問われます。しっかりと押さえましょう。

さて、苺状舌を呈する疾患とは?「猩紅熱」です。
つまり、この問題は「猩紅熱の原因菌はどれか?」と言い換えることが
できます。
猩紅熱の原因菌は化膿レンサ球菌です。
したがって、Streptococcus pyogenes が原因となります。
Streptococcus がレンサ球菌を示します。
(Streptococcus mutans は齲蝕レンサ球菌です。)

Actinomyces israelii 顎放線菌症の原因菌。膿汁中に菌塊を認める。
Chlamydophila psittaci オウム病の原因菌。いわゆるクラミジア菌。
ペニシリンなどのβラクタム系が無効なため、治療にはマクロライド系を用いる。

Staphylococcus aureus いわゆる黄色ブドウ球菌。エンテロトキシンにより、
食中毒の原因菌となる。
Mycobacterium tuberculosis 結核菌。結核の原因となる。



歯科に関係する細菌以外も、その特徴を押さえておく必要があります。
今のうちにマスターしておきましょう。

いかがでしたでしょうか?
東京デンタルスクールでは、大学1年~国浪生まで
の定期試験・CBT・国家試験対策を家庭教師・個別指導の両方のかたち
で行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

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(メディカルスクール事務局 10:00~23:00・年中無休)

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執筆
東京デンタルスクール 教務主任
岩脇 清一

監修
東京デンタルスクール 塾長
岡田 優一郎