2016年7月25日月曜日

獣医師国家試験対策の予備校 獣医国試対策アカデミー



東京メディカルスクール代表の岡田です。

今回は



獣医師部門


の高橋先生に獣医学生1年~6年生の
進級や獣医師国家試験対策対策のミニ講義の最新号の
メールマガジンをお届けします!



鶏に横隔膜がないというところなど
驚きがたくさんあります!!



では、獣医師の高橋先生よろしくお願いいたします('◇')ゞ



こんにちは! 

獣医国試対策アカデミー 塾長の高橋です。
   
さあ、一緒に頑張りましょう!



1.利尿薬に関する記述として正しいものをすべて選べ。(薬理学)
a マンニトール(20%)は、糸球体で濾過された後、尿細管で再吸収
を受けないために尿中の浸透圧が低下せず、水の再
吸収が阻害される。これに伴い溶質の再吸収も抑制される。

b フロセミドは、ループ利尿薬の1つであり、
利尿薬の中で最も強力で即効性があり、作用時間が短い。

c ヒドロクロロチアジドは、チアジド(サイアザイド)系利尿薬
(降圧利尿薬)の1つであり、獣医領域では浮腫の治療
に使用する。副作用として、低Cl-性低アルカローシスが緩徐に進行するので、
強心配糖体使用時には注意が必要である。

d スピロノラクトンは、カリウム保持性利尿薬の1つであり、
アルドステロンの働きを抑えている。

e アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害薬の1つであり、
現在利尿薬としてではなく、毛様体での眼房水生成を抑制する
働きがあるため緑内障治療に用いられている。



解答:すべて正しい。


解説:利尿薬は細胞外液に貯留した水とNa+を排泄し
浮腫を治療する目的で使用します。結果として血圧が低下し、心負荷
が軽減するので、抗高血圧薬あるいは抗心不全薬としても使われます。
利尿薬の種類、効力、作用部位を押さえておきましょう!



2.鶏の体の特徴について誤っているものはどれか。(解剖学)


a 鶏には歯、頬、軟口蓋を欠く。
b 腎は前葉、中葉、後葉に分かれており、膀胱、尿道はなく、
尿管を通って総排泄腔より排泄される。
c 肺がない。
d 卵巣は卵管とともに左側だけが発達している。
e ファブリキウス嚢は鳥類特有の器官であり、体液性免疫に関与する。

解答:c

解説:鶏(鳥)の解剖は、哺乳類と異なる部位が多いため、
出題頻度が高い項目です。この機会にしっかりマスターしましょう。


鳥類の呼吸器系は哺乳類と非常に異なっており、
約10倍効率的であると考えられています。3つの主な構造上の特徴があります。


・体腔を胸部と腹部に分けている横隔膜がありません。

・肺はありますが、ほとんど柔軟性がなく、空気を満たし拡張しません。


・体腔および主要な骨(例えば大腿骨と上腕骨)内のすべての体腔は、
呼吸器系に接続している膜性の気嚢で満たされています。

まず気管から入った空気は、半分は直接後部の気嚢
(後胸気嚢および腹気嚢)に入り、残りの半分は肺を通って前部の気嚢
(鎖骨間気嚢、頸気嚢および 前胸気嚢)に入ります。

前部の気嚢に入った空気は直接気管に押し出され、そのまま鳥の口
あるいは鼻孔から外部に吐き出されると同時に、後部の気嚢に入った空気は肺に送られ、
そのまま気管を通って外に押し出されます。

このような呼吸を行うため、鳥の肺の空気は1回の呼吸運動で
2回換気されることになります。空気は、体外→気
管→後部の気嚢→肺→前部の気嚢→気管→体外へと常に一方向に流れ、
哺乳類などの呼吸のようにすべては逆流しません。


鳥類の肺では空気が一方向に流れ、血液の流れとは対向流の反対向きになります。鳥の対向流によるガス交換の利点は換気
の効率が上がることで、酸素分圧の低い上空の環境で有利なことです。


3.各胚葉とそれから分化する器官の正しい組合せはどれか。すべて選べ。(発生学)


a 外胚葉→副腎皮質
b 中胚葉→骨、骨格筋、結合組織
c 中胚葉→副腎髄質
d 中胚葉→循環器系
e 内胚葉→膀胱上皮

解答:b、d、e

解説:各肺葉から分化する器官を以下に示します。

外胚葉由来(表皮・神経):神経系、副腎髄質、唾液腺、下垂体、外耳、内耳、眼の網膜・水晶体、歯のエナメル質、象牙
質(神経堤由来)、表皮、毛、口腔・肛門上皮、鼻腔・副鼻腔の上皮、膣前庭

中胚葉由来(骨・筋・泌尿器・脈管):体腔の内臓表面の漿膜、泌尿器生殖器系(腎臓、尿管、子宮、精巣、卵巣、精管、
卵管)、副腎皮質、結合組織、骨、筋、心臓、脾臓、血管、リンパ管、リンパ節、歯のセメント質、骨髄、血球

内胚葉由来(消化管・呼吸器):消化管粘膜上皮、甲状腺、胸腺、上皮小体、中耳、耳管の上皮、肺、膵臓、肝臓、呼吸系上
皮、膀胱上皮

コーヒーブレイク2 12まで覚えよう!

ローマ数字を12まで書けるように、そしてギリシャ語で12まで数えられるようになり
ましょう!何故12までかというと、脳神経が12まであるからです。
では、アラビア数字→ローマ数字(大文字)→ギリシャ語の数え方の順に表記します。
1→I→mono(モノ)、2→II→di(ジ)、3→III→tri(トリ)、
4→IV→tetra(テトラ)、5→V→penta(ペンタ)、6→VI→hexa(ヘキサ)、
7→VII→hepta(へプタ)、8→VIII→octa(オクタ)、9→IX→nona(ノナ)
10→X→deca(デカ)、11→XI→undeca(ウンデカ)、12→XII→dodeca(ドデカ)


獣医国試対策アカデミーでは、大学1年から
6年生の現役生・国浪生の定期検査・CBT・国家試験対策のマンツーマン個別指
導を行っています。
ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。

〔ご注意〕
内容に関しては、免責事項となります。各自成書でご確認ください。

執筆
獣医国試対策アカデミー 塾長
高橋 映江

監修
東京メディカルスクール 代表
岡田 優一郎


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