2016年6月6日月曜日

歯科 メールマガジン



東京メディカルスクール 代表 岡田です。
今回は歯科部門の教務主任 岩脇先生の発行するメールマガジンです!


こんにちは!東京デンタルスクール 
教務主任の岩脇 清一です。 6月です。梅雨の季節です。
「テスト前 この問題が わからねぇ (学生心の川柳)」

定期試験・CBT・歯科医師国家試験対策無料メールマガジン、
第24回目!
さっそく始めましょう!

1.固有口腔に開口する大唾液腺の支配神経が通過するのはどれか。
 
 
すべて選べ。(解剖学)
a 内耳孔
b 茎乳突孔
c 頸静脈孔
d 錐体鼓室裂
e 大錐体神経管裂孔

解答:a,d
解説:解剖学から、支配神経に関する出題です。唾液腺の支配神経はもちろんのこと、
今回は顔面神経にまつわる話も絡めています。しっかりと押さえましょう。

「固有口腔に開口する大唾液腺」とは?「顎下腺、舌下腺」です。
これらを支配しているのは?「顔面神経」の「鼓索神経」です。
つまり、この問題は言い方を変えると「鼓索神経の通り道はどれか?」ということになります。
鼓索神経は他の顔面神経の成分と同様、内耳孔から顔面神経管に入ります。
顔面神経は顔面神経管内でいくつか枝分かれをします。

・大錐体神経管裂孔:大錐体神経(涙・口蓋腺の分泌、軟口蓋の味覚を支配)が分かれる
錐体鼓室裂:鼓索神経(顎下腺・舌下腺の分泌、舌前1/3の味覚を支配)が分かれる
そして、茎乳突孔より出て顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋、表情筋を支配します。

低学年の皆さんはこれを図でしっかりと押さえてください。
口腔外科を学習した人は、図で押さえたうえで、
「どこが麻痺するとどのような症状がおこるのか?」
という顔面神経麻痺の問題にも対応できるようにしていきましょう。

低学年のうちから的確な知識を身につけましょう!!

次いきましょう!!

2. 一方が大きくなるともう一方が小さくなる組合せはどれか。
1つ選べ。(矯正)

a FMIA───────────IMPA
b 顔面角──────────ANB
c 下顎角──────────下顔面高
d 上顎突出度────────SNA
e 下顎下縁平面角──────Y軸角

解答:a
解説:矯正からポリゴン表に関する検査値についての出題です。
皆さん、セファロ分析のポリゴン表は大丈夫ですか?
ここはしっかりとイメージを押さえましょう。
上顎が前方位かどうかを評価する指標は、
顔面角、ANB、SNA,上顎突出度と前方位で大きい値を示します。
しかし、一つ例外が…それは「A-B平面角」です。これだけは、
上顎が前方位になるほど値が小さくなります。
下顎の成長方向を評価する指標(下顎角、Y軸角、下顎下縁平面角)
は基本的に同じ増減の仕方をします。
(それぞれが大きくなれば他も大きくなる=下顎が時計回り方向:開咬になる方向に回転)
これらが大きくなれば、下顔面高も大きくなります。
最後に、FMIAとIMPAについて。
 
これらはFMAとともにTweed三角を形成しています。
FMAは基本的に一定なので、FMIAとIMPAが変動することになります。
三角形の内角の和は180°で一定なため、
どちらかが増えるともう一方は減ることとなります。
ポリゴン表もしっかりと押さえておきましょう!!

次いきましょう!

3.腺様嚢胞癌について正しいのはどれか。1つ選べ。(口腔外科)

a. 放射線療法が有効である。
b. 5年生存率は20%以下である。
c. リンパ行性転移により肺へ転移する。
d. 顎下腺と比較して耳下腺に好発する。
e. 篩状構造は腺上皮細胞と筋上皮細胞の両者よりなる。

解答:e

解説:口腔外科より腺様嚢胞癌についての出題です。
この疾患は進級試験・卒業試験、国家試験などで頻出です。
109回国家試験でも出題されていますので、しっかりと理解しましょう。

腺様嚢胞癌でおなじみの篩状構造。
これは介在部導管の筋上皮細胞と腺上皮細胞(導管上皮細胞)
の両者よりなるものです。
 

他の特徴として

・神経に沿った浸潤を示す(顔面神経麻痺、疼痛、しびれの原因)
・放射線・化学治療は原則として無効(外科処置と
併用して行うことはあるが、単体では行わない)
・顎下腺・舌下腺に好発
血行性に肺・肝・骨・脳に転移
・5年生存率は悪くない(50%以上)が、15年生存率は20%以下

などがあります。
病理組織像だけが注目される傾向にありますが、
その性質に関しても対策を深めておきましょう!
 
復活の4問目!これがラストです。

4.グラム陰性菌の内毒素が存在する部分に作用するのはどれか。
すべて選べ。(薬理)

a. メチシリン
b. ジョサマイシン
c. オフロキサシン
d. アムホテリシンB
e. クロラムフェニコール

解答:a
薬理より、抗菌薬についての出題です。
さて、「グラム陰性菌の内毒素が存在する部分」とはどこでしょう?「細胞壁」ですね。
つまり、この問題は「細胞壁に作用する抗菌薬はどれか?」ということになります。

「細胞壁合成阻害薬」といえば、β-ラクタム系(ペニシリン系・セフェム系)です。
したがって、ペニシリン系に該当するメチシリンが正解となります。
他の選択肢もみてみましょう。
ジョサマイシン、クロラムフェニコール:細菌のリボソームを阻害(=タンパク合成阻害)
アムホテリシンB:細胞膜合成阻害
オフロキサシン:DNAジャイレース阻害

聞いていることは単純ですが、
二段階、三段階の思考が求められる形にも対応できるようにしておきましょう!

いかがでしたでしょうか?
東京デンタルスクールでは、大学1年~国浪生までの
定期試験・CBT・国家試験対策を家庭教師・個別指導の両方の
かたちで行っています。
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各自成書でご確認ください。

執筆
東京デンタルスクール 教務主任
岩脇 清一

監修
東京デンタルスクール 塾長
岡田 優一郎