2016年2月13日土曜日

インプラント 歯科医師国家試験対策 講義


歯学部生1年~6年生、浪人生の定期試験、CBT、
歯科医師国家試験対策のマンツーマン個別指導 東京デンタルスクール 岡田です。


今回も無料メールマガジンで配信されているミニ講義です。

購読は無料なので歯学部1年~6年生の学生さんなどお気軽に購読ください。



ヘモグロビン酸素解離曲線が右方移動するのはどれか。
すべて選べ。(生理学)

a.体温の上昇
b.2.3‐DPGの上昇
c.一酸化炭素中毒
d.水素イオン濃度の上昇
e.二酸化炭素分圧の上昇

解答:a、b、d、e
解説:生理学から、ヘモグロビン酸素解離曲線に関する出題です。
ここは進級試験・CBTなどでやたら狙われます。


ここで押さえておいてほしいのは、「ヘモグロビン酸素解離曲線が右方移動する」
=「赤血球が酸素を供給しやすい状態にある」ということです。
つまり、体内で酸素が必要な時に
ヘモグロビン酸素解離曲線が右方移動するということになります。


右方移動するのは、
・体温の上昇
・二酸化炭素分圧の上昇
・pHの低下
・2.3‐DPGの上昇 といった時です。

左方移動は上記の逆の事象+
一酸化炭素中毒(Hbとの結合性が酸素よりはるかに高く、酸素を供給しづらくなるため)
と考えてください。

ここでもう一つ!!

pHは「水素イオン濃度」に左右されるもので、水素イオン濃度が大きいほど
「酸性になる=pHが低下する」ものでしたよね?


なので、「pHが低下したら(=酸性に傾いたら)水素イオン濃度は上昇する」
こともここで押さえてください。


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COFFE BREAK~東京デンタルスクール 塾長 岡田のほっと一息~

東京デンタルスクールでは関東全歯科大学の学生様
よりご来校を頂き、学生さんの苦手な部分というのは共通性があります。

今回の問題は特に

水素イオン濃度

の部分で間違えてしまう生徒さんも多い部分です。
pHは水素イオン濃度の逆数の常用対数です。

どうしてもわからない場合は

pHと水素イオン濃度の関係はになる
覚えてしまいましょう!

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インプラント上部構造で、セメント固定式と比較した
スクリュー固定式の特徴はどれか。1つ選べ。
(クラウンブリッジ)



a.修理が難しい。
b.審美性に優れる。
c.浮き上がりが生じやすい。
d.上部構造の破損のリスクが低い。
e.上部構造周囲に炎症が起こりにくい。

解答:e

解説:クラウンブリッジからインプラントについての出題です。
上部構造の話は試験でしばしば出題されるので、
確実に特徴を押さえましょう!


スクリュー固定式(つまりはネジによる固定)
・アクセスホールがあるため、上部構造が破損しやすく、審美性に劣る
・アクセスホールを避けて咬合を付与しなければならない
・修理はスクリューを外して行えるため、容易である
・遊びとなるスペースがないため、構成要素により高い適合精度が要求される

セメント固定式
・アクセスホールが存在しないため、破損しづらく、審美性にも優れる
・セメントスペースが遊びとなるため、適合精度はスクリュー固定式ほど要求されない
・セメントを用いるため、上部構造の浮き上がりやセメントの取り残しによる周囲への炎症のリスクがある
・修理が非常に困難である

といった特徴があります。
しっかり覚えて、確固たる得点源にしましょう!


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COFFE BREAK~ 東京デンタル塾長 岡田のほっと一息~

インプラントのスクリュー固定、セメント固定は結局どちらがいいのか・・・

この話題は日々議論されており、いまだに一長一短です。


スクリュー固定は外せるので、修理や交換がしやすい!


この部分は非常に多く出題されます。

セメント固定では仮着、合着のどちらが良いのかという
議論も続いていますが、外せるという意味で仮着に軍配が傾いています。

セメント固定のセメントは実際には取り残しがでてしまうという
データもあり、難しい判断です。

無理やりすべてセメントを取ろうとしてインプラントを傷つけてしまう
恐れもあります。

インプラントのエビデンスをめぐりこれからも様々な
議論が続きそうです。

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最もビスホスホネート製剤を服用していると考えられるのはどれか。
1つ選べ。(口腔外科)


a.舌癌の既往
b.胃癌の既往
c.肝癌の既往
d.大腸癌の既往
e.前立腺癌の既往

解答:e

解説:口腔外科よりビスホスホネート製剤についての問題です。
ビスホスホネート製剤やそれに伴う顎骨壊死は進級試験・卒業試験、


国家試験などで狙われる部分であり、注意が必要です。

今回は少し趣向を変えて、服用が疑われるものを聞いてみました。


ビスホスホネート製剤の作用機序は?簡単に言えば、

「破骨細胞を阻害することで、骨破壊を防ぐとともに、
骨芽細胞の働きも正常に戻す」ことです。

服用が疑われる疾患として、骨粗鬆症、悪性腫瘍の骨転移などがあります。
特に、悪性腫瘍の骨転移に対しては、ビスホスホネート製剤が多く使用されます。


したがって、この問題は言い方を変えると
「最も骨転移のリスクが高いのはどれか?」ということになります。
悪性腫瘍のうち、骨転移しやすいものの二大巨頭といえば、

「乳癌」と「前立腺癌」です。

それゆえ、これらの既往のある患者さんでは
骨転移ビスホスホネート製剤を服用している可能性が高いため、
観血処置の際には特に注意が必要となります。

医学的な知識も最近は問われるようになってきています。

早い段階から身につけておきましょう!


学校の定期試験など「この問題がわからない…」
 そのような際には、学生どうしで気軽に投稿できる
無料質問掲示板もお気軽にご利用ください。
http://www.21style.jp/bbs/dentalsc/


東京デンタルスクールでは、
大学1年~国浪生までの定期試験・CBT・国家試験対策を家庭教師
・個別指導の両方のかたちで行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

東京デンタルスクール
執筆:教務主任 岩脇清一
東京歯科大学卒業・歯科医師 血脇賞 受賞

塾長:岡田優一郎
日本大学松戸歯学部卒業・歯科医師 学部長賞 受賞



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(メディカルスクール事務局 10:00~23:00・年中無休)



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