2012年6月28日木曜日

熱傷(やけど) アルツ基準

熱傷の治療
~アルツ基準、熱傷指数(BI)、熱傷予後指数(PBI)~

定期試験 国家試験対策の
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今回の内容は熱傷です。

熱傷、つまり「やけど」は、範囲によって死にいたるのことのある
たいへんな状態です。

私も以前、日本救急学会ICLSコース(二次救命処置)を受講
させていただいた際に2日間救命センターでの見学を行いました。

その際にも全身の熱傷の患者さんがいらっしゃいました。

今回は、この熱傷について少し勉強していきましょう。
内容は分かりやすいように一部掲載なので、定期試験や
国家試験の際などは必ず成書での勉強をしてください!

熱傷はⅠ、Ⅱ、Ⅲに分類されます。
ここの範囲は看護・歯科医師国家試験の共通範囲です。

Ⅰ 発赤・疼痛
Ⅱ 水泡・疼痛、真皮に及ぶ
Ⅲ 炭化・壊疽

ここは病理の範囲の基礎的な部分です。
次はアルツ基準について見ていきましょう。
ここからは看護師国家試験定期テストの範囲です・

まずは熱傷の範囲を決定するものとして
成人では「9の法則」、小児では「5の法則」があります。

<9の法則>
頭部 9%
左上肢 9%
右上肢 9%
体幹前面 18%
後面 18%
左下肢 18%
右下肢 18%
陰部 1%

これは必ず暗記です。暗記しなければ看護学生の定期試験は

(*゚0゚)ハッ!!

となります、続いて
アルツ基準ではその程度によって分類され、
救命センターなどどこの施設での治療が適切か判断できます。
(分かりやすいようにアルツ基準一部抜粋ですので詳細は必ず成書参照)

軽度(診療所) Ⅱ 15%未満

中程度(一般病院) Ⅱ15%~30%
Ⅲ10%未満

重度(総合病院、救命) Ⅱ30%以上
Ⅲ10%以上
顔、手、足
気道
骨折を伴う


これらも定期試験では出題されます。

例えば、このような感じです。

医師国家試験 103回 熱傷の問題より一部抜粋・引用

専門施設への搬送を考慮すべき熱傷はどれか。2つ選べ。

1) 両手両足(III度)
2) 左上腕前面(II度)
3) 右下腿後面(II度)
4) 胸腹部の前後面(I度)
5) 口腔内に煤付着のある顔面(I度)
a)1,2b)1,5c)2,3d)3,4e)4,5

・・・

答えはbの1と5です。
1の両手両足三度だと炭化なので、基準を満たしています。
5の口腔内の煤も口腔・気道内の煤なので重度扱いです。

また、他に熱傷指数(BI:Burn index)もあります。
これも看護学生定期試験には重要で式を覚えると簡単に解けます。

1/2×Ⅱ(%)×Ⅲ(%)です。

例えば、左右上肢全体にⅡ度熱傷、左足全体Ⅲ度熱傷だと、
Ⅱが18%、Ⅲが18%になります。
この場合には、専門施設での治療が必要です。

式に代入してみましょう

1/2×18+18=27です。
このBIは10%以上だと重症。30%以上が半数の死亡率です。

また、このBIに年齢を足すとPBI(Prognostic burn index)という値になります。
80以上が重症熱傷、120を超えると致命的熱傷となります。
この人が30歳だった場合には

27+30=57ですが、70歳の場合には
27+70=97となり重症熱傷になります。


今回は、熱傷、アルツの分類、9の法則などをご紹介してきました。
内容はわかりやすいようにシンプルにしていますので、厳密な
分類や計算などは成書にてよく確認してください!


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