2012年6月13日水曜日

危険な微生物

危険な微生物
~バイオハザードレベル、一類感染症~

解剖生理学スクール 東京デンタルスクール

今回は、危険な微生物についてのご紹介です。
CDC(アメリカ疾病対策センター)や、感染症法での一類感染症
などは知識率や治療方法などによって危険度が分類されています。

この分類は年度などによって変化するので最新のものを
調べることが大切です。今回はそれらの中からミニ講義です。


エボラ出血熱

出血熱というと名前からからにすでに危険なイメージが
想像されます。フィロウイルス科のエボラウイルスが原因です。
潜伏期間は2日から21日(平均1週間)で、発症は突発的です。

発熱、頭痛、筋肉痛などが始まり、下痢や発疹がみられることもあります。
発症後3日後から出血傾向がみられ、点状・消化管出血と続きます。
ヒトからヒトへの感染は血液や排泄物で、一般的に空気感染は
否定的であると考えられています。
検査としては病原体の検出、ELIZA、PCRなどです。
鑑別疾患としては出血熱、チフス、赤痢、マラリア、デング熱、黄熱
など当然危険な微生物が鑑別になります。



クリミヤ・コンゴ出血熱

ブニヤウイルス科のクリミア・コンゴウイルスが原因。
潜伏期間は2日~9日、突発的に発症し、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐
が見られ、黄疸や知覚異常が現れ、点状出血・紫斑が生じる。
重症症例では、消化管出血や、肝不全・腎不全がみられる。
検査は病原体の検出、ELIZA、PCRなどで鑑別疾患は他出血熱など。


ペスト

歴史上、黒死病として知られるペストはYersinia pestisの感染による。
臨床所見により腺ペスト(潜伏期間は2~7日、多くは1週間で死亡)、
敗血症ペスト(敗血症が進行し、全身が黒色になり死亡)、
肺ペスト(高熱、呼吸困難、嘔吐、2~3日で死亡)
検査は病原体の検出、抗原の検出、PCRなどがある。
診断の際には臨床症状、渡航歴、ノミの接触などが参考にされる。
鑑別疾患としては野兎病、Burkholderia pseudomalleiなどがある。


マールブルグ病

フィロウイルス科のマールブルグウイルスによる。
潜伏期間は3日~19日、発症は突発的。
発熱、頭痛、筋肉痛、発疹に続き、下痢・消化管出血などがみられる。
エボラ出血に症状が類似している(ともにフィロウイルス科のウイルス)
自然界からヒトへの感染経路は不明で、血液・排泄物などによって
ウイルスが伝播する。ドイツでの発生の際にはアフリカミドリザル
の血液・組織接触であったが、アフリカでの発生例はサルは無関係であった。
検査は病原体の検出、ELIZA、PCR、免疫蛍光法などがある。


ラッサ熱

アレナウイルス科ラッサウイルスの感染による。
発症は突発的で、マストミス(ネズミ科)に咬まれたり、血液・尿に接触したり
感染者の血液や排泄物などに直接触れたりすることによって
感染し、潜伏期7~18日をへて、高熱、筋肉痛、腹痛、下痢
などがみられる。重症化した場合には消化管出血などもみられる。
発症期の初期はインフルエンザ様である。
検査は病原体の検出、ELIZA、PCR、免疫蛍光法などがある。

(上記はDDC 国立国際医療研究センターを参考に一部抜粋、
改変、加筆などしております。当ページは内容を保証するものでは
ありませんので、成書、公的機関での最新情報の確認が必要です)

http://www.ncgm.go.jp/dcc/ 国際感染症センター
http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 国立感染症研究所


今回、ご紹介ししてきた微生物は、ペストでは抗生物質により
治療法がありますが、出血熱に関しては主に対症療法になります。
致死率は10%~80%程度のものまであります。

熱帯雨林の開拓によって様々なウイルスがその姿を現しています。
感染経路は主に、動物を介したり、血液、体液、排泄物による
ものが多く、潜伏期は数日から20日程度のものまであります。
症状はインフルエンザ様のものもあり、東南アジや、アフリカ
などを旅行して帰国後熱があった場合にはマラリアも含めて、
常に鑑別疾患として考えられる必要があります。

気軽に海外に行ける今、まさに危険とも隣り合わせになっています(>_<)



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