2012年4月26日木曜日

医師と医療職

最近、医師と医療職の境界についてたびたび議論に上がったりすることがあります。

例えば、各種学会に参加するときにも

医師参加費
医療職参加費(看護師、療法士等)

が異なることがあります。
表記はこれだけです。

・・・

歯科医師はどっち?

ということになります。

参加費の値段も違うので特に気になるところです。

こういう時には、歯科医師は医療職として参加しようとして、
医師の参加費であると連絡をいただくことがしばしばあります。


高い方とられました。


特に最近は医療業界の境界がグレーな部分も多くあります。

近年では歯科医師が救急救命センターで研修をして挿管を
したということについて(医師の指導医のもとで行っていた)
医師・歯科医師が事実上敗訴して違法ということになった事件は注目を浴びました。

歯科の口腔外科では、舌癌などの治療の際や、障害者の方の治療の
際などには全身麻酔や挿管などが行われます。

この研修として医科で的確な症例と指導医の元で研鑽を積むということは
現場レベルではもはや必要であるという意見が多くあります。

医療行為は医師以外行ってはならない

シンプルで法律上確かに正しいです(笑)

しかし、のどが詰まって窒息して、田舎の医師がいる
病院まで30分かかる際に医師がいないからそのまま移動という際はどうなのでしょうか?

最近では救急救命士の方の気管挿管についてもしばしば話題に挙がります。


もちろん、原則を守ることは大切ですが、例えば航空機の中で、
窒息寸前の家族がいたらどうでしょうか?

私なら、挿管など経験を積んだ救急救命士がいたらその後責任を追及
しないからお願いしたいという気持ちになりそうです。


一方で、アメリカの心臓学会が行われる航空機の中で、意識消失の患者さんが
いた際に、心臓学会に出席する多数の医師が搭乗する航空機の緊急アナウンスで
誰一人として名乗り出なかったということもあります。

これは、アメリカが訴訟社会で、救命できなかった時に敗訴する可能性も
高いということが背景にあります。

一方的に医師だけを責めることはできないと思います。

日本でも産婦人科の医師を目指す人は減っています。

忙しさと見合う金銭だけをみたら、産婦人科より眼科や内科
ビジネス的な要素もみたら美容整形

今まで、たいへんな仕事だけれども、
生活を犠牲にして行っていた医師がいたからなりたっていました。

しかし、産婦人科の裁判にて医療業界では衝撃が走りました。


残念ながら医療に絶対はありません。
ミニマムはできても0はできません。

例えば、朝から晩まで12時間皿洗いの仕事。
50年間。いくら注意しても一度くらいは手がすべります。


業種は異なっても、医療業界の臨床に携わる人々は
この一種の危うさを十分に実感しています


災害現場のトリアージを見て分かるように、救えない命もあり、
救命の可能性のレベルもあります。


今回は、少し勉強方法と関係ない重いテーマで語りました。

臨床の現場をみた適切な法整備が求められています。


歯科医=医師用の参加費が少し残念。
医師と同じ給与ではないのに(涙)

でも、少し嬉しい気持ちもする不思議な感覚です。